into 地域で頑張る人たち

ニーズにないものを作るということ

アートと資本原理は相反すると思います。なぜなら、アートはニーズにないからです。

ウスウス気づいていましたけど、やっぱり、そうか・。

しかし、

はっきりとそう言われると、ちょっと驚きます。

資本主義の国、日本で、しかも、アーティストを生業(なりわい)としているご本人の口から出た言葉となるとなかなか感慨深いデス。

・・

これを仰ったのは、大磯で活動している朝比奈さんというアーティスト。2017年に出会った「私にビビっとくる刺激をくれた」方の1人です。この方です。⬇︎

どんなビビビをくれたのか。

経営者、アート初心者の方は、こんな考え方もありかも・・と思われるかもしれませんので、ご興味ある方は、ご一読いただけばと思います。

彼は、横浜国立大学の建築学科を出られた方ですが、今はアーティストとして、活動をされています。

 

左脳系から右脳系へ転向したってことです。


私のイメージでいうと・・・

数学の公式をビシバシ活用して、ピシャーーーッとした線を引ける専門知識があるのに、心のおもむくままなフリーダムな線を描いちゃうことを職業にしたってことですね!多分。

朝比奈さんの作品

朝比奈さんの本業は絵を描いたり、子供達にアートの楽しさを教えたりすることですが、バイトもしてると。つまり、アートでは食っていくのは大変なんだろうな、と思って、つい聞いてしまったのが、こちら。

南雲:アートって資本原理とか市場原理とかは働くんですか?

失礼な質問にも関わらず、朝比奈さんは、にこやかに即答されました。

しないでしょうね。
アートと資本主義は相反するとおもいます。なぜなら、アートはニーズにないからです。

・・

南雲:では、資本主義経済の国においてアートは必要なのでしょうか?

すると、

ニーズに応えているだけでは、世の中を先に進めることはできないと思います。アートは世の中を先導する役割があり、「市場の先」にあるものだと考えているからです。僕らアーティストの役割は問題提起をすることです。

僕個人としては「アート」と「スポーツ」が政治と経済をひっぱっていけるのではないかなぁと思うんですよね。

・・なるほど。

南雲:では、どうやってニーズにないものをクリエイトするのですか?

すると、

それは、自分の「内なる声」を「形にする」のです。
まず、自分の内なる声に耳を傾けるのです。そうして、自分の中にうちでてきたものを形作っていくのですよ。

ふむ・・・・

ニーズにないものを作る

このセリフは星野リゾートの社長もよく口にしていました。

2015.11.6 現代ビジネス

ニーズにないものを作る

論理的な経営戦略を構築することは企業にとってとても重要ですが、それだけでは競争優位となる革新的な商品/サービスを作ることはできません。

例えば、PCやスマートフォンは、「パソコンが欲しい」「スマホが欲しい」と言うニーズがあって誕生した訳ではありません。革新的(イノベーティブ)な商品には、だいたい論理の飛躍(ジャンプ)があるものです。「星のや軽井沢」にはテレビは置いておらず「テレビがないじゃん!!」とクレーム(つまり『テレビを置け!』というニーズ)がバンバンでているのに置きませんでした。その理由は星野社長のお顔をクリックしてくださればわかります。

論理の飛躍は美意識とかこだわりなどがもたらすもので、それを感性と呼ぶのであれば、どうやって感性を磨けばよいのでしょうか・・・

私は、昔も今も、あんまり感性があるほうではありません。それを「マジ・ヤベー」と思ったのはHP社から星野リゾートに移った2007年の春でした(厳密には転職の間にSFCが入ってます)。

ゼロイチ業界の人から、癒しとか情緒の業界の人になってしまった私は途方にくれて、大学教授に

どうやったら感性を磨くことができますか?と聞いたことがあります。

すると、教授はおっしゃいました。

感性を磨く方法は2つあります。
(1)食器を全部捨てなさい。
(2)ルーブル美術館へ行きなさい。1週間でも1年間でもいい。毎日、毎日、毎日、毎日通って、芸術作品を見なさい。(もう少し詳しく説明が必要ですが、割愛します)

(1)→ Done。詳しくはこちら。
(2)→ Franceに行く代わりにSpainで700キロ歩いてきました〜。体力は有限なので、有限なうちにやっちまえ!と思ったからです。詳しくはこちら。

朝比奈さんが言った言葉に戻ると・・

アーティストは問題提起をする役割がある。

だとすると、それを見る私たちは、この絵は何が言いたいのかを考える、、という役割(というか、楽しみ)がある。それを積み重ねていくことで感性は磨かれるのではないかと。


昨年、「アートと愛」についてというテーマで胡散臭い飲み会をした時に、友人Sちゃんが語ったエピソードもなかなか秀逸でした。会話は絵の値段について。

この前さ、有名作家の作品を目が飛び出る価格で買った人をみて、目利きの某氏が、嫉妬まじりに、

・・・・出がらしだよ、デガラシ!。

って、言ってた。

 

 ((((;゚Д゚)))))))

 




 

「出がらし」とは「ゆるぎない評価と市場性が確立されてる安心の銘柄」な意かと。買いたくても買えないという嫉妬もあるとは思うけれども

 

そんなこと言えちゃうなんて、なんか、スゲー!!!(全員)

・・・

一生言えません。そんなセリフ。

 

しかし、 これは大変勇気がでる文言ではないですか?

 

私は、かつて、好きなものを好きと言えませんでした。趣味悪いとか、わがままだとか、間違っていたらハズカシーーー、とか、と思っていたからです。

『アート』に正解はない。だから『好きなものを好き』と言っても良い。

有名か無名か、人の評価なんて、気にしないでいいんです。(むしろ無名な方が面白いことも。)この気持ちを自分のライフスタイル全般に対しても持てれば、他(の人)と同じにはならない。

●誰も評価してない絵でも、気に入ったんなら買えばいい
●ダサい服と言われても、好きならそれを着ればいい
●好きなら相手が男だっていいし、女だっていい

もひとつ重要なのは発言すること。

大学で授業で良い意見をもっているのに発言する勇気がない生徒が結構いました。<ナイものはナイ>と言われている社会ですが、まだまだ問題や課題はたくさんあります。そういった問題を解決するためには、声に出して発言していかないと何も変わらない。

 

正解のないアートだからこそ「好きなものは好きだ」と言ってしまっていい。どう思うかなどの会話をすることで「発言力」がつき、それを積み重ねることで論理を跳躍する力となる「感性」も磨いていけるのだと考えます。


なんてことを考えるきっかけをくれたのが朝比奈さんでした。


今年はこの朝比奈さんと、まぁまぁ面白いことを企(くわだ)てます。

という訳で、2018年の私は、Dive INTO Artです。

基本は資本主義な人間なので、それはそのまま(評価=利益という考え方が基本)として、それに加えて、有名、無名に関わらず、沢山のアート作品をみる。好きなものを好きといえる発言力を磨く。そして、ニーズにないものを(も)CREATEしていきたいと思います。

⬆︎よかったら南雲さんの家の空間にアートを置いてみませんか?といわれて、貸してくれた絵(真ん中)。質感も、漂うオーラも左右のポスターとは全く違います。毎日、本物のアートと向き合う生活をすることは、アートオンチな私にどんな変化をもたらしてくれるのでしょうか!?

That is why I am gonna dive into art !

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