このプロジェクトのおかげで夫婦の会話が増えたんですよ。
と、窯元さんたちが言ってくれる。
そ、そっか!それは、良かった!(*´∇`*)
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有田の窯元のほとんどは家族経営です。
旦那さまは社長(兼職人)
奥様は専務(兼職人)
などの役割を担って、1日中、二人一緒にいます。
お見受けする限り、ご夫婦の会話はあまり多くない・・気がしました。
曰く、「言わなくてもわかるから」
・・・
そーかな・・・?
夫婦とはいえ、自分の考えが100%、相手に伝わるなんてナイと思う。伝わっている/解っていると思っているのは自分だけですよ。きっと。
ブランディングの最初の難関は、ビジョンの明確化です。
職人家業の多くは世襲制で、家督は長兄もしくは次の男子、男子がいない場合は養子か婿養子だったりすることも少なくない。老舗度が高いと「跡継ぎ」のプレッシャーも高く、幼少のころから親に「継ぐのはお前」と言われて育ったりして、将来の夢を考える間もなく、気がついたら経営者だったお父さんの席に座ることに。こんなにすてきな仕事なのに、そんなものなのね、などと思いますが、ともかくも、気がついたら、この仕事をしていた人もおられます。
だから、
●やりたいことはなんですか?
●どうなりたいんですか?
という質問で「!?」となることも多い。(もちろんならない方もいますので念のため。)
でも、ここで踏ん張って考えてもらわねば。
有田焼の産業がかつての8分の1になっている状況で、生き残りをかけていろいろなモノコトと戦うためには、行き先はココだ!ココを目指すんだ!と決めねばならぬ。
というわけで、改めて、自分の強みを見つめ直し、夢だとか、将来だとかを思い出してもらうのですが、これは一人では決められない。だって、夫婦だから。
というわけで、夫婦で会話してもらうわけです💕
時には、言い合いになりながら、思っていることや、やりたいことを話す。
数ヶ月後、ふと気がつくと、今までは単語とか目で合図(?)で会話をしていたご夫婦がちゃんとした会話をするようになっていました。
私の家で開催される寺子屋(ムツカシイことを楽しく勉強しよう!の会)では、夫婦で肩を寄せ合って、「南雲さん、相変わらず、厳しかね・・・」とかコソコソ喋りながら勉強しています。笑
私の密かな楽しみは、窯元さんの会社から退出するときに、車のバックミラーに映る二人の間の距離がだんだん縮まってくるのを見ること。いつか、二人が手とか繋いで見送ってくれるとうれしいな。