えっと、ま、まずは「手塚商店」に行ってくださいっ!
「手塚商店」にはステキな有田焼があって、主は有田のうんちくを大変よくご存知で、しかも、家が素晴らしいんです。
まだ(今も)有田をよく知らない1年前。お付合いのある編集長から有田に行きたい、と言われた時の私の返事がこれでした。
あろうことか事前連絡もせずに手塚さんに丸なげをご紹介してしまいました。だって、有田の魅力と歴史に詳しくてかつ優しくて・・モゴモゴ・・すみません。
事後に謝ると・・・手塚さんは「あっはっはー!いやぁ、光栄ですよー!」と大変にこやかに、かつ豪快に笑い飛ばしてくれました。はい、こんな感じ↓ いつも、こんな感じです。
「手塚商店」12代目の当主「手塚さん」は有田のために色々奔走されており、その一つが「若手作家の育成」。
この「手塚商店」にはまだ世にお目見えしていない有田焼きがあるのです。
手塚セレクションの「有田焼き」
有田焼きで商売していくのは結構大変です。特に若手作家にはとっては彼らの作品を売る場は殆どないのが実情です。
手塚さんは、数多くいる若手作家から、技術もセンスもある方を見いだして、
「売れるようになったら、でてけよ〜♪」
と彼らに店先スペースを貸しています。女子心をくすぐるセンスのよい焼き物に、ついつい心とマネーが奪われます。買い易い価格も魅力です。
伝統的建造物のどっしりしたお店
「手塚商店」はがっしりした土蔵の壁と格子戸の町家建築が立ち並ぶ目抜き通りにあり、その中でも一際目をひく堂々とした店構えのお店です。
格子戸をあけて、お店に入り、右をむくと、そこには坪庭に面した板間があります。
この奥に見える黒光りした廊下の先(写真の右方向)には中庭に面した客間が。この日は夏だったので涼しげな簾戸がかかっていました。
有田焼きの宝庫@手塚さん家の食器棚
手塚さん家までは私の家から徒歩3分。よく、朝ご飯を食べにお邪魔します。
綺麗に掃除されて「水打ち」された店先を通り、台所のガラス戸をあけると「おはようっ」と笑顔で迎えてくれる奥様と手塚さん。そして、この朝食。
どーん!
炊きたてのご飯にきちんとダシをとったおみそ汁、副菜はいつも3〜6品。漬け物は手作り。最後はフルーツとコーヒーができるというフルコース。本当に「きちん」とされているのです。
ところで、この食器達。殆どが有田焼です。有田焼きとともにに数100年も暮らす方の食器棚には有田焼きの歴史がつまっています。
たとえば、これは、オールド香蘭社
地域の魅力を自ら作り、実践する手塚さん
いまや陶器祭りの名物になった「朝がゆ」は手塚さんチームが始めたこと。彼は行政まかせにしないで、民間でもできることを仲間と一緒になって地域の魅力を残し、発展するような活動を行っています。
ベルリンの壁が崩壊した時にはドイツの「マイセン」と交流関係を締結して市民交流の仕組みを作ったり、大晦日には「陶山神社」で「雪の汁」なる大根おろしが沢山入った鍋を始めたり。企画だけではなく、ご自身も雨土雪にまみれて動かれます。
手塚さんのことを知れば知るほど、こういう方が影となり日向となり、町を支えてこられたんだなぁと感じ入るのです。有田にいらしたら、ぜひ、手塚商店を訪れてみてください。
ギャラリー手塚「手塚商店」 :http://gallery-tetsuka.jimdo.com/
住所:佐賀県西松浦郡有田町大樽1-2-2
TEL:0955-42-2018