東京から愛車のチビカーを陸送してきた私。
魅力的な商店が並ぶ目抜き通りでも、その車でブンブン飛ばしていたので、最初は気がつかなかったのですが、有田の目抜き通りを一本入った所に、これぞ”焼き物の街”を感じさせる町並みがあることがわかりました。(ガイドブックにはしっかり紹介されてますが、読んでなかった・・・。)
それは「トンバイ塀」。
トンバイとは焼き物を焼く窯に使われていた煉瓦のこと。
そのトンバイに石や土を混ぜて固めた塀のことを「トンバイ塀」と呼んでいます。塀を、よーく見ると、釉薬がついてガラス化した煉瓦、トチンやハマ(どこかで解説します)が。中には骨董の価値がありそうな有田焼の破片もあり、
さながら「有田焼きの標本!」。
「トンバイ塀」通りには車は殆ど入ってこないので、ゆっくりと散策できますが、おすすめは雨の日。しっとりと濡れた煉瓦や焼き物がキラキラしてとても美しいです。
高さにも注目。
有田焼は「分業制」と言われています。仕事上の役割分担は立地でみてもわかります。
●目抜き通りがある地域は「商人の街」→商品を売買しやすい場所にある。内山とも呼ばれています。
●人通りの少ない地域は「窯焼きの街」→目抜き通りを一本入った所もしくは黒牟田地区。源右衛門さんがある地域は黒牟田地区とも呼ばれ、通称「外山」とも呼ばれています。
トンバイ塀は、作陶技術を外から盗み見されないように立てられたました。
つまり、「トンバイ塀」が巡らされている中にお住まいなのは(だったのは)「窯元」ということですね!
水道管工事などで、現在は家よりも道路のほうが少し高くなっていますが、かつては眼より少し高く作られていたそうです。当時は、その「トンバイ塀」に使われている煉瓦が見えると見苦しいので土でお化粧をした、、つまり、塗り壁だったそうです。ですが、煉瓦が見えているほうが、美しいし、有田焼きの歴史が塗り込められている感じがして断然良い◎と思います。
皇室御用達の有田焼を作っている「辻精磁社」の敷地の中には「塗り壁」がまだ残されていますので、ショウルームをみるついでにご覧になると良いかと思います。
ともかくも、そんな”うんちく”を聞いてしまうと、つい、背伸びをして「トンバイ塀」ごしに屋敷の中を覗いてしまうのは私だけでしょうか。
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