• 8)一人で生きていくのは難しい。

    8)一人で生きていくのは難しい。

    これが地方というものなんだ・・・。

    経営者は孤独なものだと思います。でも、特に有田のような伝統と歴史を守ってきた土地は、より孤独感に陥りやすい方も多いのかもしれません。

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    表通りを一歩入ったところにある「トンバイ塀」通り。昔はここを荷車が藁で包まれた山盛りの有田焼を載せて走っていました。

    有田では月に1〜2回、夜20時から22時まで、時には24時まで「寺子屋」と称し、窯元さんを集めた勉強会をしています。

    窯元さんがPCの前に座る時間はわずか。

    朝から晩まで、あっちにバタバタこっちにバタバタ。メールの返事や経理作業はまとめて夜中に。休みは疲れ切って寝るだけ・・・。家族経営的な企業はほとんど同じでしょうけど。

    だから、私がこれやってきてくださいね。と、言っても、

    ヤッツケ!?ヾ(`Д´*)ノ

    と思うものを持ってきたり。

    当たり前ですが、いろいろな人がいて、歴史が好きな人もいれば、化学に詳しくて、数学が得意な人もいる。苦手な人もいます(私)。

    ある日、原価計算をやらないAさんの所で、仕方ないなぁーと原価計算表をエクセルで作っていました。するとAさんは原価計算のお作法についていろいろご指南してくれました。

    む?こりゃ、私じゃなくて、Aさんが教えるべきでは?と。

    ちなみに「半学半教」という言葉があります。

    “半学半教”とは、教える者と学ぶ者の分を定めず、相互に教え合い学び合う仕組みを言います。慶應義塾では、教員と塾生の別なく、先輩と後輩の別なく、率直に学び合い、自由闊達に意見を述べ合う気風が尊重されています。

    詳しくはこちら。

    スクリーンショット 2016-06-15 21.54.11.png

    この言葉を知ったのは、私が16年勤めたHP社を辞めて大学に行こうと決めつつも、どこに行こうか迷っていた時。当時の上司曰く、

    南雲は、慶應に向いていると思うよ。

    はっ?

    なぜに?(´・_・`)

    すると・・

    慶應大学には「半学半教」という理念があり、HP社での経験は、リアルなIT企業を知らない方にとって、価値ある”経験知識”として、活かせるだろうと。会社を辞めてまで行くのだから、そんな価値がある大学にいってみたら、と。

    突如、ノーザンギョウのガリ勉女に変身して、SFC(湘南藤沢キャンパス)を受験し合格。
    全くもってどーでもいい話ですが、前職の社長曰く、あそこの大学には宇宙人がいっぱいいる・・・そうです。(。-_-。)

    SFCでは、同級生や先生から「ナグモ」と呼び捨てにされつつ、お互い持っているものを出し合いながら学び合いました。ゼミや教室、時には江ノ島海岸で花火なんかしながら、経営の話やこれからの日本の未来とかを語っていました。

    これを有田でやってみよう、と。

    みんなに来て欲しかったので開催は夜。会話のお供にはお茶とお菓子。お互い面識がない人たちだから、畳にちゃぶ台で、膝と肘がつく位の距離感で。でも、やる内容は経営やマーケティングの「硬い話」。

    初回は夜の12時に終了。

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    今日はオシマイです。と言ったのに、なかなか帰らない、、

    お互いにメアド交換をしてたり、なにやら去りがたい雰囲気。
    2回目の時に「この前は楽しかったですね!」と言い合っているので、聞くと、みんなで、Aさんの工場見学にいったとのこと。んで、そのあとは、女性陣だけで食事会だったそうです。

    、、奥様会! ♪(´ε` )

    また、ある時に、Bさんのところにいったら、社長がどなたかとお電話中。聞こえてきたのは・・

    Aさん(寺子屋メンバーの窯元さん)、■■■は、経費にいれたほうがいいと思うけど、どう思う?僕はさ・・・あああ、なるほどね。そんな考え方もありだよね。うんうん・・。

    !

    窯元さん同士で、相談しあっている。

    ある日の寺子屋では、商標をまだとっていないAさんに向かって全員が「商標は早くとらなきゃ!!」。慌てるAさんをみて、

    私がガミガミ言うより刺さっている(´・_・`)

    また、ある時、なぜか全員、有田にいなかったことがありました。どうしたのかと思ったら、全員(と言っても、夫婦どちらかですが)で、車1台でセミナー参加。その様子はまるで「大人の遠足」(笑)たぶん、お菓子とか車内で食べていますよ・・・。笑

    でも・・・

    この寺子屋をやった理由は、もう一つあります。

    それは、私はやがて有田から去る人だから。

    有田は400年の歴史があり、格式がある技術と伝統を”守って”きました。人によっては問題を一人で抱えてしまい、気が付いたら、あれれ??ということになってしまったようにお見受けしました。だから、相談しあえるコミュニティを残せたらうれしいなぁと。

    先日、ある窯元さんから「この寺子屋のおかげで本音で相談できる人ができました。この年齢で友人ができるなんてうれしいです。」と言われました。( ;  ; )

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    有田焼で作られた町内マップ。有田の看板のほとんどは「有田焼」でできています。

    私の任期終了もまじかです。


  • 7)『知っている』と『できる』は違う、ってそういう事か!

    7)『知っている』と『できる』は違う、ってそういう事か!

    先日の寺子屋(有田の家に窯元さんを集めた勉強会)で窯元AさんがBさんに言ったセリフ:あなたね、1年前の南雲さんは怖かったんだから。でも、今は大分丸くなったのよ。

    Aさんは私の隣にいるので、当然、その話は私にも聞こえており、驚いたBさんはAさんに・・・

    Aさん、Aさん、酔っているんですか?
    本人がいる目の前で、そんな、はっきりと言っちゃまずいですよ。
    ((((;゚Д゚)))))))

    すると、Aさんは

    いいのよ、いいのよ。
    南雲さんとはそういうことが言い合える間柄になったんだから、もうなんでも言えるのよねー?南雲さん?

    笑。そうですね。

    ・・・なんか、うれしかったデス。( ^ω^ )

    着任当時の私は今よりもっと頭でっかちでした。こっちも何をどうやって進めればいいのか解らずに必死なので、余計に怖かったと思います。すいません・・。


    窯元さんたちはほとんどが家業のため、学校を卒業してすぐに実家で働く方が多いです。

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    窯元には必ずある神棚。毎日、新鮮な水と榊が備えられている。皆さん、大変信心深く、こうしたお参りはかかさない。

    経営のやり方は、焼き物の作り方も含め、基本的には一代前の経営者がしていたことを引き継がれています。マニュアルや”引き継ぎ”によるものではなく、一緒に働くことで自然に身についたようにお見受けします。

    ある窯元さんの経理も20年前から変わらないやり方でした。(ちなみに会計士さんを怒鳴ってしまったアノ窯元さんです。)ざざっと決算書を拝見して、経理担当である奥様に・・

    コレとアレは、絶対に減らせます。
    ただちに減らさないとまずい状況です。

    まずは、お金の「入」りと「出」をみましょうか。
    というわけで、お手製の”資金繰表”と”予算管理表”をエクセルで作って渡しました。
    ところが、です・・。

    1ヶ月経っても手づかず
    あれ?(´・_・`)

    南雲:「どうしました?」
    窯元さん:「あの・・・なかなか経理をやる時間がなくて」
    南雲:「じゃ、私なりに時間管理のコツがあるので、真似してみますか?」

    毎日、様々な急ぎの仕事がふってくると、優先順位はわからなくなるよね、と思い、南雲流の時間管理を教えてみました。
    で、2ヶ月経過。

    あれ?
    まだ、やっていない・・・。(´・_・`)

    南雲:「あれ?なんでやらないんですか?」
    窯元さん:「他に”いろいろと”急ぎの仕事があって」
    南雲:「じゃ、ちょっと仕事量を調整してみましょうか。」

    社長と相談して、職務と組織を変更してもらい、仕事量を減らしてもらいました。

    3ヶ月目。
    ・・・まだ、やっていませんでした。(´・_・`)
    ・・
    これはどうしたことだろう?(´・_・`)

    会社が大変な状況で、ご本人もやる気なのに・・・(´・_・`)

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    有田の目抜き通り。陶器市は以外は人通りもすくないが、ご覧の通りの風情のある街並み。

    もしかして・・・

    では、私と一緒に経理をやりましょう。

    と、机に椅子を2つ並べてPCに前に座りました。

    そして、郵便の束の中から請求書を出して、一つ一つハサミで開けて、その辺にあった「かご」にふり分けて、エクセルを開きました。

    これは絵の具の請求書ですね。
    どの費目にいれたらいいかわかりますか?

    わからない?
    では、会計士に聞きましょう。

    見ていてください、と会計士に電話。念のため言っておきますが、私はどの費目か知っています。

    絵の具は「材料費」という費目にいれるそうです。
    で・・・この金額を材料費の費目の箇所に入れてっと・・・。

    ということを、そこにあった請求書全部を一緒にやりました。

    南雲:はい、終わりました。何分かかりました?
    窯元さん:10分です。
    南雲:そう、毎日たった10分のことなんですよ。
    窯元さん:意外に簡単ですね!!!(喜)

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    有田工業組合の壁には、窯元の屋号がかかれたタイルが貼られています。

    この窯元さんの経理処理は、この日以降、毎日行われるようになり、もちろん会計士さんのサポートもあり、なんとか財務改善を図ることができました。

    3ヶ月目にして、わかったのは、

    「泳いだことがない」人には、「泳ぎ方」を教えただけでは怖くて泳げない人もいるということ。だから、最初は顔に水をつけてから泳ごうとか、とか、次は「ビート板」を使ってみようとか。

    多くの経営者は孤独なものだと思いますが、歴史と伝統に守られた地域だとより孤高なのではないでしょうか。早く改善したくてうずうずして自分がいる一方で、窯元さんにとっては、伝統的なやり方を見直し、経営改革を進めるのはバンジージャンプを飛び降りるくらいの勇気がいる。

    そうですよね?

    と、冒頭の会話の後でそう聞いたら

    窯元Aさん:やっとわかってくれた?笑
    南雲:やっぱりそうでしたか!最近、ようやくわかってきましたよ。時にはハシゴをかけたり、段差を低くするとかすると、きっと、安心して次にジャンプできますよね?
    窯元Aさん:そーそー

    φ(。。)メモメモ…

    その時、ふと思い出したのは、前職の社長が言っていた
    「お前の思う7割でよしとしてやれ」でした。
    主旨が違うとご本人から怒られそうですし、窯元さんに対しては、とっても偉そうで恐縮ですが、ふと思い浮かんでしまった言葉です。


    <有田奮闘記の総集編>
    1)掃除をさせてください!から始まった仕事(信頼関係の構築)
    2)車を作るように焼き物を作ろう。(生産性)
    3)別名「夫婦ゲンカ」という名の「経営改善会議」(コミュニケーション)
    4)会計士さんを怒鳴ってしまったアノ日(財務会計)
    5)社長、これでは儲かりません。(利益と原価)
    6)ブランドは1日にしてならず。(ブランディング)
    7)『知っている』と『できる』は違う、ってそういう事か!(実行あるのみ)
    8)一人で生きていくのは難しい(コミュニティ形成)
    9)好きなものを作るのはマスターベーション?(コンセプトの重要性)
    10)どうして僕に継いでくれって言わないの?(後継者問題)

  • 6)ブランドは1日してならず。

    6)ブランドは1日してならず。

    あなたたちは何もわかっていない!と怒った自分がわかってなかったこと。

    ブランドは、作る側は伝えたい「世界観」を消費者の「価値観」にビビビっとくるようにしなければならない緻密な仕掛けと地道な努力が必要です。特に大量生産ができずに手間のかかる手仕事が多い窯元さんが生き残りをかけるためにはブランディングが必要と考えます。

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    宮内庁御用達の窯元になるのは、多くの窯元さんにとってのあこがれであり、目標でもあるらしい。

    先日、ある窯元さんの工場に行きました。半年前に、すごい労力を使って大掃除をして綺麗に整理整頓した窯元さんの工場です。実は毎月訪問しておりましたが、だんだんと雑然してきた状態に危機感を感じていました。

    南雲:「これ(散らかった状態を指して)は、どういうことですか?(怒)」
    窯元さん:「今週はイベントがあって片付ける暇がなかったんです。」

    は?!(~_~;)

    本来はどうあるべきでしたっけ?

    すると、窯元さんは、

    片付ければいいんでしょ!

    と言わんばかりにムっとした顔で手や足で放り投げるようにそれをどかしました。それが何回か続いたため、つい、怒鳴ってしまいました。

    あなたたちは何もわかっていない!

    重くてホコリだらけの不要物やゴミを”有田のために”と言って、老体(?)にムチ打ちながら、片付けてくれた”おじさま”たちの顔が目にうかび、あの人たちに申し訳ない、という気持ち。

    整理整頓をした理由を説明しきれていなかった私の浅はかさ。

    などが、ドバーっとこみ上げて、涙が溢れてきました。
    …>_<…

    涙がこぼれないように上を向きながら、こんな汚いところから生まれた商品を誰が高いお金を払って買ってくれるかと、話をしました。詳しい内容はこちら。

    最初はムッとしていた窯元さんが、だんだん体をまっすぐにたて、そして、噛み締めながらうなずくようになり、最後は、今まで見たことがない真剣な顔で、「これからはちゃんとします」のようなことをおっしゃいました。

    そして、自分達で整理整頓できる「仕組み」を作り、綺麗な状態を守れるようになったのです。多分、もう汚れることはないと思います。

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    不思議な魅力に溢れている窯元の倉庫。いつ来てもワクワクしちゃいます。

    そう・・・ブランディングのことをわかっていないのは私でした。
    商品やWEBのような「緻密な仕掛け」とは別に一つ一つ、「ブランドの魂」を”窯元さん自身”がいれていく「地道な作業」が必要だったんです。それを私を含め他人が全部やってしまっては、あかんのです。
    ●これは当社の理念にあっているか?
    ●利益は取れているか?
    ●無駄はないか?
    ●お客様に誇れるか?
    他にも、従業員は仕事に誇りや喜びを感じているか、、などを問いながら行う必要があると思います。それが、次の話・・・。


    思わぬところでインナーブランディング。

    前職で旅館のブランディングをしていた時に、前例がない上質で高額なアメニティを入れたことがありました。

    我ながら、すばらしー(自画自賛)ものだったので、これはメディア受けもお客様受けも良いはずだろう、と思ったのですが、さにあらず。さほどの評価は感じられませんでした。
    そこで、一計を案じて、SHOPでそれを販売することにしました。

    その翌日、SHOPの倉庫で掃除(きっかけは、いつも掃除)をしていたら、表にいるスタッフの会話が聞こえてきました。

    スタッフA:「ねえ、ねぇ!これって、こんなに高かったんだね!」
    スタッフB:「え!?本当だ!」
    スタッフA:「へー、●●で▲▲なんだって!!!!」
    スタッフB:「へええ、お客様は、うちに泊まると、こんな高いものをタダ(一応、宿泊料金はいただいておりますが・・)で使えるだね」
    スタッフA&B:「へええ!すごいね。さすが、うちの旅館!」

     へえええぇ。(*゚▽゚*)

    おそらく、このスタッフはお客様にこのアメニティを自信たっぷりに説明してくれていることと思います。当初は社外に向けたブランディングの一環でしたが、社内に対しても効くんだ(インナーブランディングと言います。)な、と実感したことがありました。


    これの逆の話。
    ある窯元で、職人さんが一つの商品に長時間かけて絵付けをしていました。

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    写真と本文は関係ありません。これは梶謙さんの招福鯛の絵付けをしているところ。

    こっそり計ったら・・・
    人件費だけで卸価格をうわまっています。つまり赤字商品。

    工数の改善ができないかと思い、職人さんに話しかけました。

    南雲:「すごく手が込んでいますね!」
    職人さん:「そうよー、手がかかるけど、一つ一つ表情が違うのがいいのよね。でも、こんなに手がかかっていても、これは安い価格で売られているだよね。お金にならないものをあと200個作らないとならないんだよ」

    と疲れた顔でおっしゃいました。

    ちなみに、その商品は工数改善できる余地はありませんでした。

    その時、心の中で思いました。

    「待っていてください。今、あなたが誇れる、すばらしい商品を開発していますから。」

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    デザイナーさん、カメラマンとの打ち合わせ@福岡空港。時間がなく、東京、福岡、有田、久留米の人をここに集結。

    職人さんもブランドを築く重要な「担い手」です。そのハレの時がきたら経営者の口から直接職人さんに伝えて欲しい。私にはやりたくても、それはできない。


    <有田奮闘記の総集編>
    1)掃除をさせてください!から始まった仕事(信頼関係の構築)
    2)車を作るように焼き物を作ろう。(生産性)
    3)別名「夫婦ゲンカ」という名の「経営改善会議」(コミュニケーション)
    4)会計士さんを怒鳴ってしまったアノ日(財務会計)
    5)社長、これでは儲かりません。(利益と原価)
    6)ブランドは1日にしてならず。(ブランディング)
    7)『知っている』と『できる』は違う、ってそういう事か!(実行あるのみ)
    8)一人で生きていくのは難しい(コミュニティ形成)
    9)好きなものを作るのはマスターベーション?(コンセプトの重要性)
    10)どうして僕に継いでくれって言わないの?(後継者問題)

     

     

     

  • 5)社長、これでは儲かりません。

    5)社長、これでは儲かりません。

    社長、この商品は全く儲かりませんよ。むしろ、作れば作るほど赤字です。

    えええ!?
    ((((;゚Д゚))))))) 

    ↑窯元さんの顔

    あああ、この会話を一体何人の窯元さんとしたことか?

    なぜだ!

    なぜ、こんなことになってしまっているのだ!?

    窯元の皆さんは「もっと儲けたい」「もっと楽になりたい」と、おっしゃいます。でも、

    どうすれば儲かるのか?

    ここに、なかなか繋がらないのが実情のようです。

    それは、窯元さんの多くは作ることが専門で、売ることは「卸会社」に”お任せ”していることに関係があると思います。窯元さんの多くは陶器市などの”お祭り”は除き、市場(マーケット)に出たことがない方がほとんどです。

    自分の商品なのに
    ・どんな人が
    ・どんな時に
    ・どんな店で
    ・どんな理由で
    ・いくらで
    買っているのか知らない。知る必要がなかったのです。(敢えて過去形でいいます。)

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    人口2万人の町に120万人が訪れる陶器市。

    商品開発を、端的に言うと、卸会社の方が、こんな感じの焼き物(他のどなたかが作った商品)を作ってもらえませんか?という所から始まります。その時、値段は「こんな感じの焼き物」とほぼ同等であることが前提になるか、むしろ、安い時(値切られる時)もあります。(´Д` )

    いずれにしても、原価も工数もまだ未知の段階で値段が決まってしまうことが多いようなのです。

    でも、大抵の窯元さんは言います。

    んー。大体の原価や工数はわかっているよ。

    は?ホントーですかっ!?だったら、こんなことにならないじゃないですか!それは20年前の価格でしょ!(どっかーん)

    あかん・・・

    あかんです。(´Д` )

    いくら物作りが好きでも、朝早くから夜遅くまで働いて、利益がない商品を作るなんてありえませんよ!あなたは経営者として失格です!・・・なーんてことは言ったことありません。はい。似たようなことは言ったかもしれませんが。

    まずは、自分の商品が「おいしいのか(利益があるのか)」「まずいのか(利益がないのか)」を知ることから開始せねば。そこで、こんなものを作りました。

    その名も「(理想)の卸価格算出表」

    このブログに載っていたから原価や卸価格の適正なんだ!と言わない方のみ、参考程度に使ってください。ダウンロードはこちらから→卸価格算出表

    スクリーンショット 2016-05-26 20.29.33

    月給と稼働日数をいれれば人件費がでる表もいれておりますので自己責任で使ってください。

    ※:間違っていたら教えていただけると助かります!

    スクリーンショット 2016-05-26 20.30.48

    卸価格には、販売管理費もいれて、更に「工場の補修」や「自分を含む従業員の皆さんの給料をあげる」ための利益もいれてください。利益がないと持続可能な経営になりません。

    利益率が高い商品は、より売れるような戦略を考え、低い商品はコスト改善や値上げなどを考えるのです。

    このプロジェクトで新商品を開発したばかり窯元さん曰く・・

    な、南雲さん〜!!((((;゚Д゚)))))))
    これで計算したら上代(定価)が高くなってしまいました。高すぎるので、利益はちょっと減らしましょうか・・?

    と。

    いーんです。(ほんとか?)
    大丈夫です。(多分)

    これからブランディングをやっていくのです。大丈夫。この窯元にも商品にも「ブランド価値」はあるんですから。

    とはいえ・・

    そこには戦略と地道な活動が必要なのです。


    <有田奮闘記の総集編>
    1)掃除をさせてください!から始まった仕事(信頼関係の構築)
    2)車を作るように焼き物を作ろう。(生産性)
    3)別名「夫婦ゲンカ」という名の「経営改善会議」(コミュニケーション)
    4)会計士さんを怒鳴ってしまったアノ日(財務会計)
    5)社長、これでは儲かりません。(利益と原価)
    6)ブランドは1日にしてならず。(ブランディング)
    7)『知っている』と『できる』は違う、ってそういう事か!(実行あるのみ)
    8)一人で生きていくのは難しい(コミュニティ形成)
    9)好きなものを作るのはマスターベーション?(コンセプトの重要性)
    10)どうして僕に継いでくれって言わないの?(後継者問題)

  • 4)会計士さんを怒鳴ってしまったアノ日。

    4)会計士さんを怒鳴ってしまったアノ日。

    あ、あ、あなたは一体、誰のために働いているんですか!

    ああ、言ってしまいました。(´Д` )

    しかも、

    あなたはそれでもプロなんですか!!!
    という大きなお世話までつけて・・・。(´Д` )


    ある窯元で掃除をセコセコするうちに気がついたのは、キャッシュフローが回っていないこと。その窯元さんは「20年間経費を見直していないこと」(え!?)「なにに使われているかを知らないこと」(え!?)という状態なので聞いてもわからず、困ったので、会計士を呼び出して、いろいろ詰問質問。

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    全体的にのらりくらりと答える会計士さん。

    南:この規模の企業の場合、一般的にはどのくらいの保険料が適切なのでしょうか?

    会:僕の口からは言えません。

    南:(は?)

    会:僕のお客様に保険のお客様がいますから。

    南:(?・・はい?)

    会:そのお客様の不利益になることは言えません。

    ・
    ・
    どっかーん!

     

    今、あなたの目の前にいる方は、お客様ではないんですか!!!!
    で、冒頭のセリフになってしまったというわけでございます。高校生のお子さんがいそうな男性相手にですよ・・。激怒は収まらず、会計士さんが帰ったあとで「あの会計士さんは代えてもらいましょう」と。そうしたら、窯元さんはいいました。

    でも、あの人はとってもいい人なんです。

    と。

    ・・・・(失笑)

    でも、怒ってよかったのかもしれません。

    と、いうのは、しばらくたったある日、その方と電話で話をして一段落ついた時に、

     


    会:あの、南雲さん、僕は『T』です。

    南:(言い間違えたかな?と思い)はい、存じております。今、なんとお呼びしてしまいましたか?

    会:先生と。でも、僕は先生ではありません。「T」と呼んでください。
    ・
    ・
    (; ̄Д ̄)なんですと?

    P4140143
    エントツが立ちならぶ有田の街

    電話の口から優しい風が吹いた気がしました。私が激怒したあの日以降、その会計士さんは頻繁にその窯元さんを訪問してくれて、あれやこれやをやってくれていたのです。おのおかげもあって、その窯元さんの財務は飛躍的&劇的に回復しました。わずか半年で。

    ただし、もちろん、怒りましたよ。窯元さんにも。「こんな財務になったのは、あなたの責任です。(ここでもドッカーン!)」と。これは次回紹介します。お金は重要です。でも、重要の意味がここでは違った。

    どの会計士さんにも言われたのは、いままで窯元さんから経営の話を聞いたことがなかったと。有田の状況、これからやっていきたいこと、こことここをサポートしてほしいという具体的なお願い、でも、費用はどうか出世払いで・・・。若干図々しかったかしらね。でも、

    わかりました。有田のために一肌ぬぎましょう。(会計士Mさん)
    楽しいですね。こんなにわくわくしたのは久しぶりです。(会計士Sさん)

    と、おっしゃっていただきました。
    *・゜゚・*:.。..。.:*・'(*゚▽゚*)’・*:.。. .。.:*・゜゚・*


    経済が冷え込んでいる地域は、特定業界だけではなく全体的に諦めモードになっているのかもしません。なんというか「地域経済の連帯責任」?

    だから、よくわかっていない「他人」をポーンと放り込むのは、刺激を与えられるのかもしれない、と思いました。

     


     

    激怒してしまったことを、深ーく、反省した私は、何冊か「アンガーマネージメント(怒りをコントロールすること)」の本を読みました。そこで、とても役に立たったことがあるので、皆さんにも共有します。

    ⭕️怒りは「2次感情」であること。
    つまり、怒りに至るには「最初(1次)の感情」があるということです。それは、苦痛、寂しさ、弱さ、絶望、不安、ストレス、痛み、悲しみ、心配などです。

    もし、あなたが怒りを感じたら、すぐに1次感情を探りましょう。それが「絶望」であれば相手に「残念です」ということを伝えればよいわけです。そうすれば、「どっかーん」にはならずに冷静に話ができるということです。これは大変役に立ちました。

    参考までに(私に)役に立たないことは、
    ❌怒る前に深呼吸を3回する
    これ、全然効きませんでした。深呼吸したら、むしろ、怒りに弾みがつきましたもの。皆さんもぜひお試しください。

    最後に、窯元の皆さん、いつも怒って申し訳ありません。10回のうち8回は怒らないように心の広い人間になるようにがんばります!


    <有田奮闘記の総集編>
    1)掃除をさせてください!から始まった仕事(信頼関係の構築)
    2)車を作るように焼き物を作ろう。(生産性)
    3)別名「夫婦ゲンカ」という名の「経営改善会議」(コミュニケーション)
    4)会計士さんを怒鳴ってしまったアノ日(財務会計)
    5)社長、これでは儲かりません。(利益と原価)
    6)ブランドは1日にしてならず。(ブランディング)
    7)『知っている』と『できる』は違う、ってそういう事か!(実行あるのみ)
    8)一人で生きていくのは難しい(コミュニティ形成)
    9)好きなものを作るのはマスターベーション?(コンセプトの重要性)
    10)どうして僕に継いでくれって言わないの?(後継者問題)

  • 3)別名「夫婦ゲンカ」という名の「経営改善会議」

    3)別名「夫婦ゲンカ」という名の「経営改善会議」

    窯元さんと経営改善会議を始めると、始めの頃は、しょっちゅう、夫婦ゲンカに発展します。有田にいる窯元さんのほとんどが夫婦+アルファで営んでいます。経営状況の話は夫婦セットで話をきくのですが、

    課題などの話になると・・・

    夫:お前がやらないからじゃないか!(机を手でバーンと叩く)

    妻:はぁ?なにいってんのよ。あの時は、いいっていったじゃない!!!(夫を指で指す)

    (経営方針を聞くと)

    夫:・・・・(うつむく夫)
    妻:んもぅ!あなたっ、しっかりしてよ!(肩をベシっと叩く妻)

    になります・・・・。

    こうなると、私は、

    さてっと、お腹もすいてきたことだし、ごはんでも食べに行きますか!

    と声をかけます。

    窯元さんの工場はとても冷え込みます。誰もいない事務所は殺伐として、ここで夫婦ゲンカが始まると、楽天家の私でも正直とっても気がおもくなります。なので、食事と称して、ファミレスに誘います。

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    • ファミレスだと、あまり大きな声で言い合いはしにくい(やっている夫妻もいますけど)
    • ドリンク飲み放題!
    • 椅子が柔らかい!
    • なによりも、寒くない!!!

    そこで、やおら、ノートを広げて、

    右側に<社長(夫)の言い分>、左側に<経理(妻)の言い分>と書いて、経営課題という名のお互いに対する文句をどんどん言ってもらいます。大きい話から小さい話まで、様々な問題を「図解」してあげると、頭が整理されてくるのか、建設的な会話になってきます。この夫婦ゲンカ、経営改善会議から生まれた一例がこちら。

    <窯地図>

    社長の<頭に中>にある窯入れの配置図を吐き出してもらい、図にしたもの。これがあれば、社長じゃなくても、窯積みが効率よくできます。窯元の皆さん、これとっても便利です。良かったら、ぜひ、使ってください。

    IMG_3259

    <生産管理>

    工場長の<頭の中>にある生産管理を吐き出してもらい、社員全員で視覚化&一元化たもの。焼き物の生産工程はとても複雑で、もはやアナログ管理の限界を超えていますが、システム導入は費用がかかるので、次のミッションとして、まずはアナログで。(注意:この写真はプロセスの一部です)

    IMG_3343

    とかとか・・・こうした諸々の問題を一つ一つ整理して、最終的には事業計画書にもっていきます。事業計画書ももちろんファミレスで作成です。

    このプロジェクトをやって全員から言われたのが「最近、夫婦の会話が増えてきたんです!」

    そ、そ、それは良かった!!!!

    経営に問題がある窯元の夫婦間の会話は少ないです。とっても。

    どうでもいいことですが、私の知り合いで編集の仕事をしている男性はほぼ既婚者(しかも複数回)です。彼らは、女性をくどく「言葉の使い方」が圧倒的にうまいんだと確信しています。

    気がついたことは・・

    会話は「よい組織」を構築するためにとても重要であること。

    夫婦であり経営者は、きちんと言葉で「会話」をする必要があります。が、もし、喧嘩しそうであれば、ファミレスに行くか、別名夫婦円満カウンセラーの私をお呼びくださいませ。なんならLINEの代筆もいたしましょう。


    <有田奮闘記の総集編>
    1)掃除をさせてください!から始まった仕事(信頼関係の構築)
    2)車を作るように焼き物を作ろう。(生産性)
    3)別名「夫婦ゲンカ」という名の「経営改善会議」(コミュニケーション)
    4)会計士さんを怒鳴ってしまったアノ日(財務会計)
    5)社長、これでは儲かりません。(利益と原価)
    6)ブランドは1日にしてならず。(ブランディング)
    7)『知っている』と『できる』は違う、ってそういう事か!(実行あるのみ)
    8)一人で生きていくのは難しい(コミュニティ形成)
    9)好きなものを作るのはマスターベーション?(コンセプトの重要性)
    10)どうして僕に継いでくれって言わないの?(後継者問題)

  • 2)車を作るように焼き物を作ってみよう!

    2)車を作るように焼き物を作ってみよう!

    有田には約150もの窯元がありますが、お互いの窯を訪問しあうことありません。
    作業現場は「アンタッチャブルゾーン」まさに「禁断のエリア」なのです。

    そんな工場の中を定点観測してみると・・・

    ・おや?同じ人が同じものを持って、なんども往復している。
    ・それをどかせば、そこを通れるのに。

    とかが、見えてきます。

    あ、そうか。

    IMG_1950

    かつては大人数で働いていた工場の現場を少数になってしまった今でも、そのままの状態で使っているんだ、、と。

    イメージではこんな感じ。

    スクリーンショット 2016-04-10 19.11.57

    そこでやったことは4つ。

    1)きゅきゅっと小さく。(まじめする)

    使うものは身近に。使わなものは捨てる。空いたスペースにはモノを置かないように立ち入り禁止に。居心地がよいエリアに作業スペースを移動、便利さも工夫。(間締め:生産用語で”まじめ”と読みます)

    スクリーンショット 2016-04-10 19.12.05

    2)スタスタ歩ける。(導線を確保)

    工程から工程を「まっすぐに歩ける」ように。歩く場所とモノを置く位置と区別できるように黄色のテープを貼って完成!

    IMG_3237

    3)定位置を決める。(看板をつける)

    習慣ついたものを治すのはムズカシイ。だから「○○置き場」と書いた看板をつけました。こう書いてあると、他のものはおけない・・・。つまり、モノは定位置に収まるようになるわけです。

    スクリーンショット 2016-04-10 19.22.52

    4)作業を楽にする。(重いものはコマをつける)

    焼き物の道具は、とにかく重い。重いから、元に戻したくないし、腰を痛める。体とココロの負担を軽減するために、滑車をつけた台車を制作。これで重い釉薬もガラガラー、スーっと移動できます。

    スクリーンショット 2016-04-10 19.22.30

    ひとまず、これでやってみようじゃないか!

    うーん、美しい。

    と言われても、フツーでしょ?と思われると思うのですが、ビフォアーの写真(見せられませんが・・・)と比較すれば、きっと、その変化に誰もが驚くと思います。

    IMG_0043

    まるで、トヨタの工場のようじゃないですか?

    ・・・・

    ・・・・

    ・・・という、目標をたてることが重要!

    現場改善のお手本にしたのは、世界に誇るジャパン・ブランド「TOYOTA」の「トヨタ方式」です。

    スクリーンショット 2016-04-10 19.41.42.png

    トヨタ方式をしらない方はこちらをどうぞ!

    さて・・・・

    この大仕事をやってくれたのが、こちらのおじさまトリオ。

    左からアカセ木工の松山さん(現場改善の設計者 兼 私の相談役 兼 飲み友)、平山さん(有田のご意見番)、吉村さん(趣味は料理)。この人たちは、本当にすごかった。

     

    ものすごく大変なことを、

    ぐおおおおおおおおおーーー

    と、やってのけてくれたのです。

    従業員さんがなんだか楽しそうに仕事をされるようになった姿をみて、うなずく窯元(経営者)さんの後ろ姿をみて、

    よし、いける!

    と確信した一瞬でした。
    ただ、その半年後にうち砕かれましたけど。3歩進んで2歩下がる、人生はワンツー・パンチ。人生あまくない!


    <有田奮闘記の総集編>
    1)掃除をさせてください!から始まった仕事(信頼関係の構築)
    2)車を作るように焼き物を作ろう。(生産性)
    3)別名「夫婦ゲンカ」という名の「経営改善会議」(コミュニケーション)
    4)会計士さんを怒鳴ってしまったアノ日(財務会計)
    5)社長、これでは儲かりません。(利益と原価)
    6)ブランドは1日にしてならず。(ブランディング)
    7)『知っている』と『できる』は違う、ってそういう事か!(実行あるのみ)
    8)一人で生きていくのは難しい(コミュニティ形成)
    9)好きなものを作るのはマスターベーション?(コンセプトの重要性)
    10)どうして僕に継いでくれって言わないの?(後継者問題)

  • 1)掃除をさせてください!から始まった仕事。

    1)掃除をさせてください!から始まった仕事。

    窯元さんの「ブランディング」をやりませんか?

    はい、やります!

    何をすればいいのか、給料がいくらかもわからないのに、ほぼ即答してました・・。

    あれから1年8ヶ月経ちましたので、ここいらで、私の仕事を10回シリーズでまとめてみることにしました。どこかの誰かの参考になれば幸いです。


     

    2014年10月。スペイン700キロを46日かけて歩いてムキムキになって深夜に帰国。その翌日の始発で佐賀に向い、午前中には煙突がニョキニョキと生えている小さな街、有田の地を踏んでいました。

    焼き物の工場に入ると、どどーんと広い空間に見たことがないものがたくさん。素敵な焼き物も山のようにどどーんと。

    PB080617.jpg

    うひゃー!!!!
    なんだか、よくわからないけど、すっごい迫力!
    わくわくする一方で・・・

    はて?
    私は何をやればよいのかしら?と。

    窯元さんに「困っていること」を聞いても「売上をあげたい」と。
    そりゃまぁ、そうだよね、と思うようなことしか答えてもらえず、何から手をつけていいのか、まーったく、わかりませんでした。

    東京に戻って私は思いました。

    まず、掃除からだ、と。

    別に私は掃除が好きなわけでありません。

    実は、私は前職でとてもお世話になった箱根寄木細工の「露木木工所」に、日本の職人さんの現場が知りたいので、1週間だけでいいので働かせてください、と頼んだことがあります。

    露木さん親子とは仲がよくても、そこで働いている職人さんとうまくいくかどうかは、わかりません。

    東京からいけ好かない女がやってきた、と思われたらどうしよう・・・と。

    何か手伝おうにも「木を切らせてください」なんて恐れ多くて言えないし、そもそも私ができることなんて「掃除しかない」

    そこで「1週間、掃除をやらせてください」と頼んだのです。

    数日経つと、掃除だけではなく、穴あけとかもさせてもらえるようになり、やがて職人さんから「南雲ちゃん、チョコ食べる?」と言われるようになり、露木さん親子からはもちろん職人さんたちからも、いろいろなことを教わりました。

    それを思い出して、有田でも、それからやろうと。

    というわけで、1週間、ほこりにまみれて工場の中で過ごしました。

    IMG_0354.jpg

    そこで気がついたのは・・・

    ここで働いている人は10年前から、いや、50年前から、「同じ方法」「同じ環境」で仕事をしていること。

    そこから、着手することにしました。


    <有田奮闘記の総集編>
    1)掃除をさせてください!から始まった仕事(信頼関係の構築)
    2)車を作るように焼き物を作ろう。(生産性)
    3)別名「夫婦ゲンカ」という名の「経営改善会議」(コミュニケーション)
    4)会計士さんを怒鳴ってしまったアノ日(財務会計)
    5)社長、これでは儲かりません。(利益と原価)
    6)ブランドは1日にしてならず。(ブランディング)
    7)『知っている』と『できる』は違う、ってそういう事か!(実行あるのみ)
    8)一人で生きていくのは難しい(コミュニティ形成)
    9)好きなものを作るのはマスターベーション?(コンセプトの重要性)
    10)どうして僕に継いでくれって言わないの?(後継者問題)

     

  • ブランドは信仰だ!と思えると結構うまくいく

    ブランドは信仰だ!と思えると結構うまくいく

    前職の広報時代、メディアの皆様に、よく言われたのが「御社は宗教みたいだね」というセリフ。

    はは。そうですか!
    そうすると社長は教祖ですか!
    なんか怖いですね。あはは〜(と笑ってごまかす。)

    でも、心の中では、いいんですよ。それで!
    と思っていました。

    ブランドは信仰のようなもので、
    ブランディングは布教活動と思っていましたから。

    前回のブログで、ブランドは「世界観」であり、作る側が訴えたい「世界観」が消費者の「価値観」にビビビっとくるようにしなければならない。ですが、ことはそう簡単ではなく、緻密な仕掛けと地道な努力が必要です、と書きました。地道な努力は、整理整頓や掃除のようなところから積み上げることであり、これはとても大事です。

    ご本尊に歴史があって魅力的でも、お宮やお堂が汚いと信仰しにくいんです。信仰してもらえないのはブランドじゃないんです。信じてもらうための準備や地ならしや布教活動が重要なんです。どーでもいいことですが、前職時代は別名「地を這う広報」と呼ばれていました ♪( ´▽`)。

    アップル好きな人は、ジョブズ(教祖)やアップル(教)が好きで、新商品はとりあえず使おう、とかって思っているし、地方にいる人は、いつかはアップルストアーに行きたい(参拝したい)と思っており、来たら来たで、スタッフを(教祖の弟子のように)憧れ感あふれる目で見て、、いたりしませんか?

    ロゴ.jpg

    かくいう私も前職の社名を告げると「ほえー!」と言ってもらえ、特に前職の社長のカリスマ性は有名らしく彼のismがまだ私に流れているように思っていただいております!(ラッキー!)

    実は、先日、ある窯元に行くと整理整頓したはずの工場に乱れが生じていました。この窯元は素晴らしいブランド価値があるのに、それに気がついてないことが課題でした。

    むむ・・・やばい。汚れてきた・・・。
    こんなに汚くては、誰も信仰しない・・・。

    伝統工芸的な産業を後世に残すためには、古い商習慣から覚悟を決めてぬけだし、現在の市場にあったものにすること、そして、小さくてもキラリと光る企業になるためにブランディングをすること、これが重要だと思います。

    私が知る限り、お世辞ぬきで、マジで、どこの窯元にも差別化できるブランド資産があるんです。これは本当に恵まれていることなんですよ。

    信仰してもらえるためには地道な努力が必要です。
    頑張れ、有田!(まずは掃除から)

     

    IMG_8333

     

  • おハゲができました(´Д` )

    おハゲができました(´Д` )

    わたくし10円ハゲができました。

    IMG_2738

    発見場所は美容院。ヘアスタイリストさんはなぜか「すみませんっ!!すみません!」を連発し、私は私で「ああ、私って、そんなヤワだったのねぇ」と、遠い目に。

    おハゲは幸いにも、外からは全くわからない場所にあるのだが、さすがにしばし落ち込む・・。

    ヘアスタイリストさんは、休んだほうがいいというサインかもしれませんよ、とか、旦那さんが知ったら、仕事を辞めろっていうかもしれませんね、と。

    んー、そのセリフは100パーセントないな。

    おそらく夫は、

    A:かわいそうに。後で肩もんであげるよ→いたわり系
    B:大丈夫?最近忙しそうだもんな。→同調系

    正解はこちら!

    ん?大丈夫だよ!全然っ平気!

    どれ、見せてみ? うん、大丈夫!全然平気!まだまだ髪の毛いっぱいある。大丈夫。平気!

    まさかの、気にすんな系!!でした。♪( ´▽`)

    あはは。そーかも!

    最初は、この「おハゲ」を「おハゲは成長の片道きっぷ」とか「幸之助もジョブスもハゲは成功への登竜門だった(はず)」など、自分の鼓舞を考えていたけど、こんな楽天的な夫の一言で、テンションは通常に戻りました。

    とはいえ、ココロに過剰なストレスがかかっていることは事実なので、これ以上「おハゲ」を増やさないためにはどうするか一人ブレスト(ブレーンストーミング)してみることに。まとめると・・

    ●問題・課題はナゾナゾを解くみたいで、楽しい。
    ●窯元さんの目がキラキラするのを見るのは、心底嬉しい。
    ●県外の人に「有田っていいねー」と言われるのも、やる気がでる

    お仕事がなくなったり、減ったりするのは、むしろストレスなので、仕事のやり方や捉え方を改善することに。加えて、飲み友には「褒めれ」という大層自分勝手なお願いも^^;

    昨年は、窯元さんたちに、自社の構造改革をしなければならない!変わらないと生き残れないんですよ!と、言ってきましたが、今年の私の課題は仕事のやり方改革。

    題して「マイワーク・レボリューション2016」。今年も多くの皆さんの協力を得ながら頑張ります。

    OLYMPUS DIGITAL CAMERA

    柿右衛門の柿(次回のブログネタです)