• 引き上げる想い(後半)

    引き上げる想い(後半)

    今回は前回の「続き」に加えて、私の「次」について書いてみました。

    ココから前回の続き。(前回の記事はこちらからどうぞ)


    「部外者さんの参加」から生じた「新しい動き」に未来を感じた私。

    これは「部外者」ゆえの客観性だからか?それとも「部外者」さんが優秀だからか?

    ま、どっちでもいいか!甘えてしまえ!(≧∇≦)

    その方とは、嬉野が誇る高級温泉旅館「和多屋別荘」の社長「小原嘉元」さん。

    早速、「えくぼとほくろ」の外部モニターチェックも依頼。すぐに自社の広報、フロントマンを伴って来てくれました。

    行政にも絡んで欲しかったので、役所の観光担当にも声かけてもらい、アート大好きバリバリ行政ウーマンにも来てもらい、万全なサポーター体制を完備!

    ・看板がないからわかりにくい。
    ・このゴチャゴチャ感がいいので片付けないように。
    ・笑顔がない。
    ・挨拶がない。

    客商売ならではのご意見に加えて言われたのは・・

    この置き方では『えくぼとほくろ』のコンセプトが伝わらない。B品をA品のように「美しく」売ったほうがいいのでは?

    ・
    ・

    そうしたいのは、山々ですが、労力的にも資金的にも美しく仕立てるリソースがないんですよ・・

    と、泣き言をいってみたら、

    僕らが手伝います!と、翌週の土日に細マッチョな茶農家さんが入れ替わり立ち替わりの手弁当で、わっせわっせとディ・アイ・ワイ。

    ↓どうしたらお金をかけずに魅力的にできるか議論しているの図。

    ↓工事をしてくれている茶農家さんたち(両端のお二人)。一見華奢ですが、脱ぐとすごいらしいです。

    ↓そして、総工費3万円で完成!

    ステキなのができたーー。( ´▽`)

    と、ご満悦な私の横で、茶農家さんと窯元さんは焼き物をみながら

    「こんな茶器があったんですか!これいいですね!二十個買いたいです。」とか

    「こんな形は作れますか」とか

    「お茶はですね・・」と仕事話をしておるではないですか。

    ご近所同士で需要と供給!

    プリミティブ・エクスチェンジ!

    これだけではありませんでした。

    窯元工房のツアーをチェックしてもらってる時、

    焼き物って、こうやって作るんですね!知らなかった!

    良い意味でこの古さとごちゃごちゃ感がサイコーにワクワクします!

     

    と、モニターにこられた皆さま全員が目をキラキラさせておる!

    ・
    ・

    うふふ。(^ ^)

    ご近所さんなのに「異業種」だから、知らないんだ・・・

    焼き物を作る工程って、メッチャ面白いですよね。これって旅館に泊まられたお客様にも喜んでもらえて顧客満足になると思うのです。

    うんうんと、深く頷く皆さんに、

    「では、送客よろしくお願いします。」とパンフをすかさず渡す。

    よし、これで相互送客はオッケー。嬉野の誰かが集客したら、そのお客様を次の人に送客する。そーすると、マーケティングコストなどの営業コストはかからず集客できる。

    しかも、お互いに行き来すれば、おのずと魅力も理解し語れるようになって、みんなが嬉野の広報になれる!

    こうして「えくぼとほくろ」は多くの佐賀メディアにご紹介いただたこともあり、吉田の街に人が歩くようになりました。

    やったー!

    ・
    ・

    その三週間後に、いくつかの<お願いごと>を残して私の最後の佐賀のお仕事は終了しました。

    先日、吉田で会議があると言うので東京からスカイプで参加しました。すると、画面の向こうでは、お願いした通り、ホワイトボードに議題をかいて会議が進行してるではないですか。

    フライヤはステキじゃないと置いてもらえないから、お金かけてもカッコいいのを作ったほうがいいよね。その金額だったら、やっちゃう?メディア担当はだれやる?とドンドンとアイデア創出と決断が鮮やかにくだり、こんな素敵な企画が完成!

    イェーイ!

    PHOTO:YOSHIMOTO KOHARA
    DESIGN:DAISHI OWATARI

    素晴らしいー!
    VIVA!チーム吉田焼!

    活発な議論を見て、涙が出そうに嬉しかったです。

    そして・・

    私の仕事は終わったな、と思いました。

    チームになれば、ヨソモン抜きでここまで出来るし、ご近所にいる「部外者」さんもいる。

    最後の最後に頼りになる大きなチームができて良かった。

    ・
    ・

    先日(と言っても数ヶ月前ですが)前職の会社でプレゼンをした時、その会社で二番目に偉い人に「いいじゃん!南雲さん、どうしちゃったの?」と(多分)褒めてくれました。すると隣にいた一番偉い人が言いました。

    「南雲さんはさ、佐賀の皆さんに鍛えてもらったんだよね」と。

    本当にそうだと思います。

    ハゲができたり激やせしたこともありますが、それもふくめ、どれも私の成長の栄養になったとマジで思っています。

    この仕事を紹介してくれたアノ人、最後は仲違いしてしまったアノ人、いつもごはんをごちそうしてくれたアノ人、「貴女は貴女のままでいい」と励ましてくれたアノ人。すぐにカッカする私を母のように諭してくれた同志の大我さやか嬢。

    彼の地にいる、アノ人の顔が次々と浮かびます。

    そして、家族を省みず日本を飛び回っていた私を東京で暖かく見守ってくれた夫と母。

    本当にありがとうございました。

    さて・・

    私はこの春から母校である慶應義塾大学湘南藤沢キャンパスで講師(非常勤)として「パブリックリレーション戦略」という講義を受け持つことになりました。更にもう一つ、宿のプロデュース業をしていて知り合った方からお声掛けをいただき首都大学東京でも「景観論」という授業の講師(非常勤)として受け持ちます。

    この数年間で学んだことや課題を二つの大学に通う生徒と一緒にブレイクスルーして、新しい知見を生み出す。そして、再び、社会に貢献していきたいと思います。

    私の2018年のもう一つのテーマは、DIVE into SCIENCE。

    こうして、自由に生きられる社会と環境、そして成長できるチャンスをいただけていることに深く感謝しています。ありがとうございます。


    未知の世界に飛び込むのはいつもトテツモナイ勇気がいります。でも、向こうから、私を呼ぶ声が聞こえるなら、いつだって何歳だって、飛び込んで行く勇気を持っていたい。

    自分の使命に突き進み、人生を生き尽くそうと思います。

    これから始まる新しい世界。下田の同志も聞いているこの曲で「ドライヴ」かけますか。

  • 市場の価値観ってなんだろう?

    市場の価値観ってなんだろう?

    なにか新しいことをやる時はトテモドキドキするものです。それが伝統を重んじる土地で、しかも、人様のビジネスである場合は特にドキドキ感は一層ハイパーになるのです。

    先日、始めた「えくぼとほくろ」という企画がそうでした。でも、最終的に「やろう」と思えたのは「市場の価値観ってどうなの?」と思ったことにありました。


    「えくぼとほくろ」とは:

    モノつくりにおいては、必ず「規格外品」が生まれます。全ての業界を知っている訳ではありませんが、磁器は比較的、多いのではないかと思われます。

    市場には、色々な観点で「価値基準」が設けられており、それを満たしてないものは「規格外品」として扱われ「市場に向けた流通」に乗ることが出来ません。

    肥前吉田焼という佐賀県嬉野市にある焼き物の産地では、その規格外品を愛情を込めて「えくぼとほくろ」と名付けました。「えくぼ」とは釉薬(上薬)のムラ、「ほくろ」とは絵の具や鉄粉などによる「黒点」のこと。他の規格外品もふくめ、それらを窯元6社で堂々と売りましょう!というプロジェクトです。

    ちなみに「えくぼ」はコレ。

    ん?

    なに?

    どこが問題なの?

    わかりませんよね。

    では、アップで、どうぞ!

    虫眼鏡がいります。

    では、こちらはどうでしょう。

    「ほくろ」

    ・

    ・

    ・

    わかりました?

    思わず、指でゴシゴシして、ホコリではないことを確認してしまうほどの小さなもの。もはや、間違い探しの域です。


    「えくぼとほくろ」をやりたいと言ったのは”自称”吉田のヨカ男。彼は肥前吉田焼という佐賀県でも知る人が少ない焼き物の産地にいるトテモ売れっ子の若手窯元です。「えくぼとほくろ」の名付け親でもあります。

    実際、彼は見た目も中身も「ヨカ男」です。彼との出会いは今から2年前。

    私は、予定されていた任期が1年ほど早まった時、たまたま眼の前にいた彼に「実は、今月でこの仕事終わりなんです」と雑談混じりに話をしました。すると、彼は、ソッコーで「じゃ、僕が雇います!」私も私で「はい、お願いします!」とソッコーで答えた記憶がおぼろげにあります。

    閑話休題。

    言いたかったのは、ヨカ男は、漢だ、ということです。

    ともかくも、そのヨカ男が「やりたい、やりたい」と言っていたのが「えくぼとほくろ」でした。でも、私はゼーンゼンやりたくなかった。なので3ヶ月くらい放置していました。

    やりたくない理由は2つ。

    1)B品を世に出すこと。
    2)安売りをすること。

    この2つをすると、ブランドを毀損してしまう、と思ったからです。ですが、ヨカ男の一言で、私の思考が回り始めました。

    それはお国関係のお偉いさん達を案内している時のこと。ヨカ男はいいました。

    僕たちは、環境破壊をしています。

    ハ?ナニ ヲ イッテオルノダ?→私の心の声。

    焼き物は、地球を穴だらけにして石や土を掘り出して粘土にし、それを大量の二酸化炭素を排出しながら焼いてつくります。僕ら、窯元は、地球環境を破壊している責任を全うするために、作った商品をなんとかして「世間の皆様に使ってもらえるモノ」にする義務があると思っています。

    なんと・・・

    ・
    ・

    私の脳みそをグルグルと回転させた、別シーンでの、セリフがもう一つ。

    商品が完璧にできたかどうかは、窯から出してみるまでは、わからないんです。職人さんは「ぺっぴんさん」をイメージして最後の最後まで手を抜かず、丁寧に作業をしています。

    でも、窯をあけてみたら「えくぼ」があった・・ということがあるのです。

    「窯元にとって自分が手がけたモノは自分の子供なんです。本当の子供だったら、えくぼがあってもカワイイじゃないですか。ぼくらも同じなんですよ。えくぼとほくろがあっても、かわいい子供なんです」「でも、それらは、検品ではじかれてしまうのです」

    この話を後ろのほうで聞いていた私は思いました。

    ・・・オモロイ。

    ほとんどの人は、焼き物が10以上の工程を手間ひまかけて作られていることを知りません。

    ほとんどの人は、職人さんが息を詰めながら、一つ一つとても丁寧に商品を作っている場面を見たことがありません。

    これを見せる。

    どんなに丁寧につくっているかを、見てもらうのです。

    窯元ってすごい!焼き物って面白い!に注力するのです。売れる売れないは、それがよければツイテくるハズだと。

    その後で、「えくぼとほくろ」がある商品を見たら、もう以前のアナタではいられない。焼き物が特別なものに見えてくるはずだと思いました。私がそうだったから。

    とはいえ、価格に関しては、定価でいくか/割引価格にするか迷いました。最終的には、各窯元さんに任せましたが、全体ルールとしては、割引価格はアリにしました。

    割引価格(定価の半額程度)にしたのは、人は、キズがナイ商品とキズがアル商品を見比べた時、同じ価格なら、キズのナイ商品を選ぶからです。日本人は、積まれた本の一番上にある本は買わず、下の方から買うんです。一度でも読めば表紙はキズつくのにね。服とか生鮮食品とかもそう。

    「キズがあるから安い」というロジックはつまらない。

    「えくぼとほくろ」がある商品は、流通にのせない分「経費」はかかりません。だから、安くできるのです。と言い切る。えくぼとほくろが「悪い(粗悪品)」から「安い」のではナイのです。

    話はここから2ヶ月前に遡ります。

    肥前吉田焼は、ブランドとかコンセプトがまだなかったので、窯元全員でブレストをしたことがありました。会議室でマジメ・ブレストをし、

    窯元さんの家で美味しい食事+酒を楽しみながら、膝を付き合わせてフリーダムな感じでもやりました。

    で、、完成したのは「暮らしにちょっとワクワクを」というコンセプト。これ、いいでしょ?知っている人は知っていると思いますが、吉田の雰囲気にぴったりなんです。

    あえて「肥前吉田焼」いう産地の名前も「焼き物」も「器」も入れない。段々畑があり、ここにしかない風情が残っている。この産地には、焼き物だけではない魅力があります。


    「ワクワク感のある産地」にを目指すのならアリだ。

    で、極めつけのひとこと。

    んー、でもですよ?この産地には、まだ壊れたら困るほどのブランドは出来てないですからねぇ。

    笑

    こうして、ようやく私の重い腰が動いたわけです。

    結果、多くのメディアに注目され、今では、この産地に人が訪れるようになりました。

    ●NHKのイケメンアナウンサー自らが取材にきてくれました。利根川さん、ありがとー!

    ●サガテレビの人気番組「わらしべ長者の旅」では2週間連続で吉田地区がレポートという快挙。メガモッツサイコー!

    ●佐賀のほぼ全ての新聞各社はどこも大きく取り上げてくれてました!見てください。このタイトル「愛の格安」って。解っていただけて嬉しいです(*⁰▿⁰*)。ある窯元さんは記事を額にいれて飾っていますよ。

    このメディア効果もあり、今は、毎日、人が訪れるようになりました。職人さんの手仕事を目を丸くして眺め、えくぼとほくろの商品を手にとって

    「え?こんな小さい点がダメなの!?」「あんなに丁寧に仕事をしていても、”えくぼ”ってできちゃうんだね」

    などと言ってくださり、誰も値切らずに、つけた価格のまま、嬉しそうにご購入されています。ちなみ陶器市では、悲しくなるような値切られ方をされる時もあります。

    「アナタ」の価値観に響いてくれた!だから、付けた価格を評価(納得)して買ってくれた。

    ぜひ、あなたの価値観で見てもらえると嬉しいです。「えくぼとほくろ」の詳細についてはこちらをご覧ください。吉田焼のブランディングは始まったばかりですが、期待大です。

    最後に、もう一つ重要なことを記しておきます。もともと「規格外品」は窯元さんにとってコストな(お金がかかる)存在でしかありませんでした。丹精込めて作った焼き物には社会で役に立って欲しいという想いに反して、売るに売れず、投げ売りをするか、産業廃棄物としてお金を払って捨てるしかない。それが、今は窯元の利益になっているのです。これを長年考えていたのが”自称”吉田のヨカ男こと、224 Pocelainの辻諭さんです

    私は市場原理が全てだと思ってます。ですが、市場(市場ってダレ?)決めた『価値基準』は果たしてどうなんだろう、と自分の固定概念を一度崩して、自らに問い正す良い機会でした。ありがとね、吉田のヨカ男さん(^^)

  • ニーズにないものを作るということ

    ニーズにないものを作るということ

    アートと資本原理は相反すると思います。なぜなら、アートはニーズにないからです。

    ・

    ・

    ウスウス気づいていましたけど、やっぱり、そうか・。

    しかし、

    はっきりとそう言われると、ちょっと驚きます。

    資本主義の国、日本で、しかも、アーティストを生業(なりわい)としているご本人の口から出た言葉となるとなかなか感慨深いデス。

    ・・

    これを仰ったのは、大磯で活動している朝比奈さんというアーティスト。2017年に出会った「私にビビっとくる刺激をくれた」方の1人です。この方です。⬇︎

    どんなビビビをくれたのか。

    経営者、アート初心者の方は、こんな考え方もありかも・・と思われるかもしれませんので、ご興味ある方は、ご一読いただけばと思います。

    彼は、横浜国立大学の建築学科を出られた方ですが、今はアーティストとして、活動をされています。

     

    左脳系から右脳系へ転向したってことです。


    私のイメージでいうと・・・

    数学の公式をビシバシ活用して、ピシャーーーッとした線を引ける専門知識があるのに、心のおもむくままなフリーダムな線を描いちゃうことを職業にしたってことですね!多分。

    朝比奈さんの作品

    朝比奈さんの本業は絵を描いたり、子供達にアートの楽しさを教えたりすることですが、バイトもしてると。つまり、アートでは食っていくのは大変なんだろうな、と思って、つい聞いてしまったのが、こちら。

    南雲:アートって資本原理とか市場原理とかは働くんですか?

    失礼な質問にも関わらず、朝比奈さんは、にこやかに即答されました。

    しないでしょうね。
    アートと資本主義は相反するとおもいます。なぜなら、アートはニーズにないからです。

    ・・

    南雲:では、資本主義経済の国においてアートは必要なのでしょうか?

    すると、

    ニーズに応えているだけでは、世の中を先に進めることはできないと思います。アートは世の中を先導する役割があり、「市場の先」にあるものだと考えているからです。僕らアーティストの役割は問題提起をすることです。

    僕個人としては「アート」と「スポーツ」が政治と経済をひっぱっていけるのではないかなぁと思うんですよね。

    ・・なるほど。

    南雲:では、どうやってニーズにないものをクリエイトするのですか?

    すると、

    それは、自分の「内なる声」を「形にする」のです。
    まず、自分の内なる声に耳を傾けるのです。そうして、自分の中にうちでてきたものを形作っていくのですよ。

    ふむ・・・・

    ニーズにないものを作る

    このセリフは星野リゾートの社長もよく口にしていました。

    2015.11.6 現代ビジネス

    ニーズにないものを作る

    論理的な経営戦略を構築することは企業にとってとても重要ですが、それだけでは競争優位となる革新的な商品/サービスを作ることはできません。

    例えば、PCやスマートフォンは、「パソコンが欲しい」「スマホが欲しい」と言うニーズがあって誕生した訳ではありません。革新的(イノベーティブ)な商品には、だいたい論理の飛躍(ジャンプ)があるものです。「星のや軽井沢」にはテレビは置いておらず「テレビがないじゃん!!」とクレーム(つまり『テレビを置け!』というニーズ)がバンバンでているのに置きませんでした。その理由は星野社長のお顔をクリックしてくださればわかります。

    論理の飛躍は美意識とかこだわりなどがもたらすもので、それを感性と呼ぶのであれば、どうやって感性を磨けばよいのでしょうか・・・

    私は、昔も今も、あんまり感性があるほうではありません。それを「マジ・ヤベー」と思ったのはHP社から星野リゾートに移った2007年の春でした(厳密には転職の間にSFCが入ってます)。

    ゼロイチ業界の人から、癒しとか情緒の業界の人になってしまった私は途方にくれて、大学教授に

    どうやったら感性を磨くことができますか?と聞いたことがあります。

    すると、教授はおっしゃいました。

    感性を磨く方法は2つあります。
    (1)食器を全部捨てなさい。
    (2)ルーブル美術館へ行きなさい。1週間でも1年間でもいい。毎日、毎日、毎日、毎日通って、芸術作品を見なさい。(もう少し詳しく説明が必要ですが、割愛します)

    (1)→ Done。詳しくはこちら。
    (2)→ Franceに行く代わりにSpainで700キロ歩いてきました〜。体力は有限なので、有限なうちにやっちまえ!と思ったからです。詳しくはこちら。

    朝比奈さんが言った言葉に戻ると・・

    アーティストは問題提起をする役割がある。

    だとすると、それを見る私たちは、この絵は何が言いたいのかを考える、、という役割(というか、楽しみ)がある。それを積み重ねていくことで感性は磨かれるのではないかと。


    昨年、「アートと愛」についてというテーマで胡散臭い飲み会をした時に、友人Sちゃんが語ったエピソードもなかなか秀逸でした。会話は絵の値段について。

    この前さ、有名作家の作品を目が飛び出る価格で買った人をみて、目利きの某氏が、嫉妬まじりに、

    ・・・・出がらしだよ、デガラシ!。

    って、言ってた。

     

     ((((;゚Д゚)))))))

     

    !

    デ
    ガ
    ラ
    シ

    !

     

    「出がらし」とは「ゆるぎない評価と市場性が確立されてる安心の銘柄」な意かと。買いたくても買えないという嫉妬もあるとは思うけれども

     

    そんなこと言えちゃうなんて、なんか、スゲー!!!(全員)

    ・・・

    一生言えません。そんなセリフ。

     

    しかし、 これは大変勇気がでる文言ではないですか?

     

    私は、かつて、好きなものを好きと言えませんでした。趣味悪いとか、わがままだとか、間違っていたらハズカシーーー、とか、と思っていたからです。

    『アート』に正解はない。だから『好きなものを好き』と言っても良い。

    有名か無名か、人の評価なんて、気にしないでいいんです。(むしろ無名な方が面白いことも。)この気持ちを自分のライフスタイル全般に対しても持てれば、他(の人)と同じにはならない。

    ●誰も評価してない絵でも、気に入ったんなら買えばいい
    ●ダサい服と言われても、好きならそれを着ればいい
    ●好きなら相手が男だっていいし、女だっていい

    もひとつ重要なのは発言すること。

    大学で授業で良い意見をもっているのに発言する勇気がない生徒が結構いました。<ナイものはナイ>と言われている社会ですが、まだまだ問題や課題はたくさんあります。そういった問題を解決するためには、声に出して発言していかないと何も変わらない。

     

    正解のないアートだからこそ「好きなものは好きだ」と言ってしまっていい。どう思うかなどの会話をすることで「発言力」がつき、それを積み重ねることで論理を跳躍する力となる「感性」も磨いていけるのだと考えます。


    なんてことを考えるきっかけをくれたのが朝比奈さんでした。


    今年はこの朝比奈さんと、まぁまぁ面白いことを企(くわだ)てます。

    という訳で、2018年の私は、Dive INTO Artです。

    基本は資本主義な人間なので、それはそのまま(評価=利益という考え方が基本)として、それに加えて、有名、無名に関わらず、沢山のアート作品をみる。好きなものを好きといえる発言力を磨く。そして、ニーズにないものを(も)CREATEしていきたいと思います。

    ⬆︎よかったら南雲さんの家の空間にアートを置いてみませんか?といわれて、貸してくれた絵(真ん中)。質感も、漂うオーラも左右のポスターとは全く違います。毎日、本物のアートと向き合う生活をすることは、アートオンチな私にどんな変化をもたらしてくれるのでしょうか!?

    That is why I am gonna dive into art !

  • 2017年にやったオモロイ仕事

    2017年にやったオモロイ仕事

    皆さん、こんにちは。

    ブログを書くのを、とある理由で躊躇するようになり、半年ほど放置しておりましたが、確定申告をしていて、

    ・・

    あら?

    昨年(2017年)は、(やりたくてもやれないような)オモロイ仕事ばっかだった、ではないか!?

    ということに気がつきました。そこで出会ったのは、いまだかつて会ったことがないような「オモロい人」。これを私だけのものにしておくのはもったいないと思い、ブログを復活することにしました。

    本文に入る前になんですが、次回のネタは

    「2017年に出会った変態さんワン・ツー・スリー(仮称)」

    です。

    今回はどーでもいい自分のことばかりで、多分つまらないです。ごめんなさい。
    読み終わっても怒らない方だけ、先を続けてお目通しくださいませ。m(__)m

     

    さて、今回のネタは「2017年にいただいた”新しい”オモロイ仕事」です。

    こんな感じ。

    1)宿泊施設の「魅力プロデューサー」

    2)母校(SFC)の「非常勤講師」

    3)某市の産業特区プロジェクト案件の「検討委員」

    4) あちらこちらから依頼された「執筆業」

     

    何が(私にとって)オモロイかということを説明いたしましょう。

     


    1)宿泊施設の「魅力プロデューサー」


    ➡︎「ブラタモリ」的に日本各地の「土」や「歴史」「地形」を論理的に分析ができるから。これを経験と知識と直感でエイヤっと魅力化してコンセプトにします。簡単にいえば、スカスカの土には稲は育たない。では、その土地では、どんなモノが政治や経済の源泉になっていたのか?というのが論点であり、それが、その土地のホンモノの魅力の源泉だ、というのが仮説です。「土」の自論はもはや論文になるえると思っており、いつか、書いてみたいと思うほど、まぁまぁの理論化ができています。

    地域にいって、よく言われるのは「うちには何も魅力がない」というセリフ。でも、人々がそこそこに生活しているのであれば、なにか源泉があるのです(多分)。それを掘り出し、分析し、ヨソモノである旅人が喜ぶ魅力に昇華させる、というのが私の仕事です。

    土が赤ければ鉄分(サビ)が多いということ。サラサラか粘土質かも重要です。

     


    2)母校(SFC)の「非常勤講師」


    ➡︎「教える」ことで、とっちらかった知識は整理でき、学生との議論は新しい知を創造。それらは私をも成長できることなのです。加えて若年層に

    「ねーねー、FACEBOOKってまだ使ってる?」

    「暇な時、なにしてる?」

    「へー、なんでそう思うの?」

    とか、遠慮なく「なんでなんで」攻撃ができて、マーケティングリサーチに。学生のみなさま、うるさくしてごめんなさい。ご協力よろしくお願いします。

    卒業してから10年たって、また通うことになるなんて感慨深いです。


    3)某市の産業特区プロジェクト案件の「検討委員」


    ➡︎地域全体を俯瞰できて(今までは宿とか産地とか、地域の一部でした)スーパー公務員や識者と一緒になって、理論にのっとったダイナミックな行政改革ができる(といいな)。

    この地域全体を活性化させるイメージをもつために高い所に登る。


    4) あちらこちらから依頼された「執筆業」


    ➡︎「書く」ことは技術です。HP時代は、私が書いた文章に、上司から、でっかい×マークをもらったことがあるくらいなので、こんな仕事がくるなんて思ってもみませんでしたが、これはヘタクソなりに、技術を高め、それを評価してもらうという絶好のチャンスだと思っています。

    ところで「声の文化と文字の文化」という名著があります(SFC時代のイバ研の課題図書で出会いました)。その中で著者のオングは

    文字を使い文章を書き推敲することが、思考を格段に深化させ、文章を練ることはすなわり思考を組み立てること。「書く」ということは、意識を内面に向かわせます。話す=声の文化は、相手なくして成立しませんが、書く=文字の文化は、自分との対話であり、内面を取り出す作業です。

    と言っています(上記は要約ですが、読みにくいの”で囲いました)。

    私はモノを書くことを生業にしていませんが、ノートがないと仕事になりません。ノートに書き出すのは思考の整理に他ならないからです。余談ですが<声の文化>はアートだと思っており(オングもそんなことを言ってます)、書くとは別次元で尊重すべきものだと思っています。

    ともかくも「公なもの」を書くということは、市場で自分の技術が評価されるということなので、ヤバイです。アノ記事のことを思うとドキドキハラハラです。

    「声の文化と文字の文化」。面白いので読んでみてください。(高いけど、買う価値ありです)

    声の文化と文字の文化 単行本 – 1991/10/31 ウォルター・J. オング (著),‎ Walter J. Ong (原著),‎ 林 正寛 (翻訳),‎ 糟谷 啓介 (翻訳),‎ & 1 その他

     

    これまた余談ですが「印刷美術館」にいくのもおすすめです。グーテンベルグの技術は人の生活に大きな影響を及ぼしました。ということよりも、活版印刷ってすげー大変だったんだな、と頭が下がる思いになります。


    2018年から始まる新しい仕事もありますが、それは追って、アップします。
    では、次回の記事をお楽しみに。(採用許可くれたら公開になります。)

    <アイキャッチ画像>
    これは、辻与(つじよ)という佐賀県の肥前吉田焼にある老舗窯元さんがつくったナマズです。嬉野にある豊玉姫神社という場所にあります。ここまで大きい磁器を作るのはスゴク大変なことなんですよ。ナマズはとても縁起が良い魚なので新年のブログにつかいました。

  • 「土」が教えてくれるコト。

    「土」が教えてくれるコト。

    3年前(2015年)、スペイン700キロを歩きました。10キロのバックパックを背負って1日20キロから40キロを40日間かけて歩破しました。

    よく聞かれる質問は、

    人生観、変わった?!

    ・・

    いえ、全然、、、、。

    旅自体は自分史上最高に楽しかったをですが、精神的に、どっかーんときたような大きな変化は感じないまま、今を元気に過ごしております。でも、それでいいんです、多分。(詳しくはこちら)

    とはいえ、新たな「視点」を得たことはあります。

    一つは「土」をみれば、その土地の魅力が想像できるようになりました。

    これが結構あたるのですが、そんなきっかけとなった話です。

     

    人間は歩く時、必ず、「下」を見ます。
    ある研究調査によると、人は視線/視界の6割程度「下」を見て歩くとか。

    スペイン横断は「東から西にむけてまっすぐに700キロ」歩きました。

    最初は、砂漠地帯から歩き始め、野を超え山を超え、雨量が多い地域に足を踏み入れ、最後は、大雨の中をゴールしました。

    それが楽しいのか?と思われるかもしれませんが、サイコーに楽しいです。詳しくはこちら。

    スペインのスタート地点(パンプローナ:ピレネー山脈の麓)は、こんな感じの土から歩き始めました。歩き始めたばかりなのに、すでに、靴は真っ白です。

    カラカラの土ですが、ベリーとかイチヂクとかが生えています。ちなみに全部野生。

    下は葡萄畑。かわいそうな位に、土はカラッカラです。
    そして炎天下。35度〜40度くらいでしょうか。

    一面、葡萄畑。
    周りに誰もいないのをいいことに、葡萄をフサでとって、むしゃむしゃ食べながら(すみません。ワインになった時点のものを人生かけて払い続けるので許してください。)、歩くわけですが、これが、むちゃ甘くて、むちゃ濃厚で、むちゃウマイ!!!

    土に水分や養分がない分、木は一所懸命に、それらを集めて蓄えます。細くてシワシワした葡萄の木ですが、ものすごいエネルギーを感じます。

    実はこの地域は世界でも有名なワインの産地「RIOJA:リオハ」。

    リオハワインは、私のワインリストの中では世界一うまい。赤白問わず。口に合わなかったリオハ産のワインはない。ホントーにおいしい。大好き。店頭に並んでいたら、大体、買います。(値段にもよりますが)

    この乾燥地帯を5日間ほど歩くと、チョロチョロした芝生みたいのが生えているような「土」に変わります。

    すると、でてくるんです。

    その草をエサにする動物が!

    ほら、羊の群れ。

    その土地で食べるものときたら、これ。

    ぬふふ。

    さらに歩くと「土」がますます湿ってきて、でてきました。かたつむり。

    ちょろちょろ流れていた川は、どんどん広くなり、船が通れるくらいに。船で物資を運べるくらいになると、商業が成立するようになり、ひとは集まり、街になる。

    メソポタミア文明などの「川」を起点にした文明の成り立ちと同じです。

    なので、土が湿ってきたら、ああ、もうすぐ「街」にでるだろうなぁ。

    じゃ、久しぶりに、オシャレなレストランに行こうかな。

    と、言うのも「土」が教えてくれるのです。

    土だけではありません。

    霧がうわっーと出てたりすれば、近くに川か海があるのだと思います。下の写真はガリシア地方の山。ものすごい濃霧が右から左に、すごい速さで流れています。

    ・・スペインの地図を思い出して、右が海だったよな・・

    そっか、もう海が近いんだ、と思います。(写真の奥が「ガリシア海」のはず。)

    ・・海といえば魚介類・・・

    タコだ。タコがいるはず。

    タコを食べよう(スペインは日本以外で珍しく「タコ」を食べる国です。)

    この付近にくると、葡萄畑は、前にあげた砂漠地帯の葡萄畑と様相はかなり異なり、みどりが多くて、土も湿っています。写真でもわかるかと思います。

    葡萄は水分量が多く、酸味が強い。→ すっきり系の白ワインができる。

    湿気があるならドライ系ではなく、カビ系のチーズもあるはず。それにカリンジャム(カリンは砂漠には生えない)をあわせよう。むふふ。

    タコと白ワインとカリンジャム付きのチーズを食べよう。

    と、霧でビショビショになりながら、「土」から妄想したマリアージュ(料理とワインの組合せ)を組み立てて、ゴールした町のレストランでは答え合わせのように、それを食べる。

    むはー(至福のため息)

    地産地消が美味しいのは常識だよ、と思う人も多いかと思います。

    でも、私のように知識も経験も大したことない人にとっては、アタマじゃなかなか理解できない。でも、こんな体験を通してなら、感動的に理解できて、自説を圧倒的な熱量で延々と語れたりできるのです。

    経験を語ることは、すごく、楽しい。
    本でみただけの知識に、負ける気がしない。
    経験に勝るものナシ!(ドヤ顔)

    Experience without learning is better than learning without experience!

    人生感を変えることはなかった旅ですが、土がその土地の魅力を生み出している、、と、気がついた知見(自論?)が、この後、いかせるとは、思ってもみませんでした。

    続きは、また今度。