into 地方の経営者

4)会計士さんを怒鳴ってしまったアノ日。

あ、あ、あなたは一体、誰のために働いているんですか!

ああ、言ってしまいました。(´Д` )

しかも、

あなたはそれでもプロなんですか!!!
という大きなお世話までつけて・・・。(´Д` )


ある窯元で掃除をセコセコするうちに気がついたのは、キャッシュフローが回っていないこと。その窯元さんは「20年間経費を見直していないこと」(え!?)「なにに使われているかを知らないこと」(え!?)という状態なので聞いてもわからず、困ったので、会計士を呼び出して、いろいろ詰問質問。

IMG_8141_2.jpg

全体的にのらりくらりと答える会計士さん。

南:この規模の企業の場合、一般的にはどのくらいの保険料が適切なのでしょうか?

会:僕の口からは言えません。

南:(は?)

会:僕のお客様に保険のお客様がいますから。

南:(?・・はい?)

会:そのお客様の不利益になることは言えません。



どっかーん!

 

今、あなたの目の前にいる方は、お客様ではないんですか!!!!
で、冒頭のセリフになってしまったというわけでございます。高校生のお子さんがいそうな男性相手にですよ・・。激怒は収まらず、会計士さんが帰ったあとで「あの会計士さんは代えてもらいましょう」と。そうしたら、窯元さんはいいました。

でも、あの人はとってもいい人なんです。

と。

・・・・(失笑)

でも、怒ってよかったのかもしれません。

と、いうのは、しばらくたったある日、その方と電話で話をして一段落ついた時に、

 


会:あの、南雲さん、僕は『T』です。

南:(言い間違えたかな?と思い)はい、存じております。今、なんとお呼びしてしまいましたか?

会:先生と。でも、僕は先生ではありません。「T」と呼んでください。


(; ̄Д ̄)なんですと?

P4140143

エントツが立ちならぶ有田の街


電話の口から優しい風が吹いた気がしました。私が激怒したあの日以降、その会計士さんは頻繁にその窯元さんを訪問してくれて、あれやこれやをやってくれていたのです。おのおかげもあって、その窯元さんの財務は飛躍的&劇的に回復しました。わずか半年で

ただし、もちろん、怒りましたよ。窯元さんにも。「こんな財務になったのは、あなたの責任です。(ここでもドッカーン!)」と。これは次回紹介します。お金は重要です。でも、重要の意味がここでは違った。

どの会計士さんにも言われたのは、いままで窯元さんから経営の話を聞いたことがなかったと。有田の状況、これからやっていきたいこと、こことここをサポートしてほしいという具体的なお願い、でも、費用はどうか出世払いで・・・。若干図々しかったかしらね。でも、

わかりました。有田のために一肌ぬぎましょう。(会計士Mさん)
楽しいですね。こんなにわくわくしたのは久しぶりです。(会計士Sさん)

と、おっしゃっていただきました。
*・゜゚・*:.。..。.:*・'(*゚▽゚*)’・*:.。. .。.:*・゜゚・*


経済が冷え込んでいる地域は、特定業界だけではなく全体的に諦めモードになっているのかもしません。なんというか「地域経済の連帯責任」?

だから、よくわかっていない「他人」をポーンと放り込むのは、刺激を与えられるのかもしれない、と思いました。

 


 

激怒してしまったことを、深ーく、反省した私は、何冊か「アンガーマネージメント(怒りをコントロールすること)」の本を読みました。そこで、とても役に立たったことがあるので、皆さんにも共有します。

⭕️怒りは「2次感情」であること。
つまり、怒りに至るには「最初(1次)の感情」があるということです。それは、苦痛、寂しさ、弱さ、絶望、不安、ストレス、痛み、悲しみ、心配などです。

もし、あなたが怒りを感じたら、すぐに1次感情を探りましょう。それが「絶望」であれば相手に「残念です」ということを伝えればよいわけです。そうすれば、「どっかーん」にはならずに冷静に話ができるということです。これは大変役に立ちました。

参考までに(私に)役に立たないことは、
❌怒る前に深呼吸を3回する
これ、全然効きませんでした。深呼吸したら、むしろ、怒りに弾みがつきましたもの。皆さんもぜひお試しください。

最後に、窯元の皆さん、いつも怒って申し訳ありません。10回のうち8回は怒らないように心の広い人間になるようにがんばります!


<有田奮闘記の総集編>
1)掃除をさせてください!から始まった仕事(信頼関係の構築)
2)車を作るように焼き物を作ろう。(生産性)
3)別名「夫婦ゲンカ」という名の「経営改善会議」(コミュニケーション)
4)会計士さんを怒鳴ってしまったアノ日(財務会計)
5)社長、これでは儲かりません。(利益と原価)
6)ブランドは1日にしてならず。(ブランディング)
7)『知っている』と『できる』は違う、ってそういう事か!(実行あるのみ)
8)一人で生きていくのは難しい(コミュニティ形成)
9)好きなものを作るのはマスターベーション?(コンセプトの重要性)
10)どうして僕に継いでくれって言わないの?(後継者問題)

関連記事

  1. into 地方の経営者

    9)好きなものを作るのはマスターベーション?

    私が関わる諸々の業務の中でもメインオブジェクトであり、ハイライトである…

  2. into 地方の経営者

    「有田焼きブランド」を超えている「柿右衛門ブランド」

    前回、前々回と「柿右衛門窯」について超簡単にご紹介しましたが、そもそも…

  3. into 地方の経営者

    デザイナーさん必見!コンペ開催!入選作品は賞金+商品化。

    入選作品は賞金はもちろん商品化するというコンペを行います。あなたがデザ…

  4. into 地方の経営者

    窯元さんの想いが詰まった「産地見学会」を開催しました。

    勇気を振り絞って、参加しました・・・。と語ってくれたのは某有名…

  5. into 地方の経営者

    5)社長、これでは儲かりません。

    社長、この商品は全く儲かりませんよ。むしろ、作れば作るほど赤字です。…

  6. into 地方の経営者

    最強の3大魅力(温泉×焼き物×お茶)がある嬉野で”まちづくり”をやります。

    ●日本最初の磁器「有田焼き」●お茶栽培発祥の「嬉野茶」●日本三…

最近の記事

  1. into PR

    へっぽこPR時代(後編1)
  2. into 有田観光

    有田までのベストな行き方教えます。
  3. into 有田観光

    ふにゃふにゃがうまい!「牧のうどん」
  4. into 有田観光

    焼き物フリーク必訪!磁器でできた神社
  5. into 地方の経営者

    「柿右衛門窯」に行ってきました。
PAGE TOP